Architects
Dew Studio
Year
2023
Program
terrace house
Status
proposal
Scale
390m²

線路に面し、電車からの視認性が高い、都会的な立地環境における集合住宅の計画。

複数の線路が並び、大きく谷となった崖際に敷地は位置している。対岸まで広く遮るものが無く、南に向かって明るく爽快な眺望が印象的な場所である。本計画では、その場所性ゆえの騒音や電車からの視線をコントロールをしつつ、住戸からの眺望や開放性が叶う建築にしたいと考えた。

まず、音的な調整のために、各住戸の外壁サッシに加え、居室間の隔て扉にも遮音性を持たせた二段階かまえのサッシ構成とし、奥の部屋へ向かって静かになる、音のヒエラルキーがある設えとした。

同時に、住戸境界の壁を途中で折って角度を振り、インナーテラスは線路に対して正対するのに対し、奥の居室はテラスに対して屈曲したプランとし、眺望や開放性においてもヒエラルキーのある場を作った。

地上階、上階ともに開放的に住まえるよう、敷地内通路から各住戸への動線は、地上階のみ南の線路側からとし、上階へは北側通路側からとに分け、1階住戸の開放感や居住性を高めようとしている。

線路に向かって開かれた開口部越しに、各住戸の日常が醸し出される建物の表情が、電車の通勤客や通行人、まちにとっての賑わいに繋がることを期待した。