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Architects
Dew Studio
Year
2022
Program
renovation
Status
completed
Scale
67 m²

青い瓦屋根と共に戦前から3世代が過ごしてきた築80年の一軒家のリノベーションプロジェクト。

住宅は、行き止まりに向かう細い私道に面し、同時代に建てられた隣家とともに青い屋根瓦やカーブを描いて張り出す装飾的な出窓が印象的で、古き昭和の時代にタイムスリップしたような街並みの一角にあった。

建築当時から庭に植わる3本の柿の木が、住宅とともに世代を超えて隣家住人とのつきあいを紡ぎ、日々の風景を作ってきたことが住人から伝えられた。この改修プロジェクトでは、その風景の継承を第一に、孫世代が過ごすための心地よい住環境をつくろうと考えた。

天井が低く圧迫感があり、昼間でも照明が必要だった和室の平天井を撤去しトップライトを設けることで、明るく活動的なリビングとした。障子で仕切られていた縁側は、蓄熱性を加味した厚みのあるタイルを敷設し、リビングと一体となって陽が感じられる伸びやかな空間にした。

建物の制約を加味し、屋内側から断熱の充填と開口部の改修により断熱性能を向上させた。又、新規で基礎とOSB合板による耐震補強壁を挿入することで、耐震性の評価が難しい既存の木柱や土壁に頼らない耐震補強を行っている。

本の好きな住人が、くつろいだり読書に没頭できるよう、庭に張り出した一室にはウィンドウベンチを造りつけ、リビングと続きながらもシーンの切替わる空間を設えた。